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童話(@tatanai_douwa)の詳細です

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

心肺

次の文章を読んで、以下の問いに答えなさい。 窮屈だ。周りを見渡すと、同じような見た目をした奴らがひしめきあっている。 「ねえ、ここのカフェさ、本当に人気なのかな。コーヒーそんなに美味しくないけど」 沙希は憮然としている。退屈そうにストローをい…

70セントの煙草を巡る問題

アメリカの煙草店で70セントの煙草を10ドル札で買った。日本でなら、引き算をして「9ドル30セント」のお釣りを渡すだろう。しかし外国では普通引き算をせずに「10ドル札に対しては10ドルのものを渡す」というふうに考える。まず70セントの煙草を渡し、次に10…

文章を縦に組み立てるときの留意点

友人のオカマが常々「文章をまとめる能力が無い」と漏らしていた。偶然にも別の女性からも同じ愚痴を聞いた。二人の話を要約するに、どうやら結論という到達点に辿りつくまでに、様々な形で脱線してしまうという。よく言えば「気が利く」のだ。あれもこれも…

あのツイートの作り方

言葉について考えるブログなので、たまには人気ツイートの分析なんていうものもやってみようかと思った次第です。でも、個人的な感情があまり表に出ないように努めることで精いっぱいな気がします。無断転載も外部リンクもしないので伝わるかどうか不安です…

推敲の一歩目

「童話さんはどうやって自分の文章を推敲しているのか」と尋ねられたことがある。そのときの返事は覚えていないのだが、おそらく「あんまりしていないです」に類するような、何とも気の抜けた回答だったように思う。というのも、本当にあまりしていないのだ…

「頭髪を乾かすためにお使いください」という注意書き

何気ない文面にも、その背景を汲み取って、あれこれ考えてしまうときがある。特に注意書きの威力は凄い。様々な思いを感じる。以前沖縄の安いドミトリーに泊まったとき、エレベーター内に英語で「ジャンプするな!」と書かれていて笑ったのを今でも思い出す…

新しい世界

「言語は事実を表現するものではなく、事実に対する見え方を表現するもの」という金言がある。認知言語学と呼ばれる諸分野で、20世紀後半から現れた考え方だ。この根元は新しいレトリック観に通じている。このブログでもレトリックは表現技法ではなく認識そ…

「つまずいた数だけ大人になれる」は今後一生使うな

名言、と呼ばれる言葉がある。偉大な哲学者や第一線で活躍するスポーツ選手、はたまた人気の俳優など、影響力のある人間が言った「名言」は、多くの人の心を揺さぶってきた。ためしに名言botのフォロワー数を見てみると、軒並み10万超えである。いかに大衆が…

レトリックの展望を夢見る

認知言語学という学問がある。このブログで触れたかどうか忘れたが、簡単に説明すると、人間の「ものの捉え方」から言語を解明する学問だ。発展途上の領域なので、今でも続々と論文が登場しては、議論が活発に起こっている。このブログでもいずれ、その最前…

ちょっとウザいバイトの先輩文体

自分でも思う。いや、文体変わりすぎて気持ち悪い。ツイートとか対談ブログの編集後記とか、こう、あんまり人に読ませる気がないような、自慰行為かセックスかで言えば完全に同時三点攻めの文体だけど、ひとたび「論理的な文章とは」なんてものにとりかかっ…

松岡修造ユーモアに抱く違和感

極度の寒暖が見られたとき、必ずと言っていいほど流れてくるのが「松岡修造が今どこにいるのか」というユーモアだ。これが、文字通り寒気がするほどつまらない。その理由について分析してみようと思う。 ユーモアには二種類ある。いわゆる「常識」から逸脱す…

「収納して楽しむ」読書観

自分ではぼんやりと「吸収するように読んでいる」と思っていた。読書観の話だ。かなりの速読ではあるが、読み終わった後にはメモが残るし、自分の中に蓄積されている感覚もある。しかし、こんな記事を読んで、少し思うところがあった。 hyohyosya.hatenablog…

友人の書いた小説で勝手に問題を作る(作者の解説編)

問題編→友人の書いた小説で勝手に問題を作る(問題編) - 詳細は先程 童話の解答編→友人の書いた小説で勝手に問題を作る(童話の深読み解答編) - 詳細は先程 はじめまして。 未だ工事といいます。 前前回の記事で僕の拙い話を読んでくださった方、ありがと…

友人の書いた小説で勝手に問題を作る(童話の深読み解答編)

作者の気持ちを答えなさい、という問題が死ぬほど苦手だった。だってわからないじゃん、作者の気持ち。作者からのメッセージを受け取って自分の感想を言うならできるけど。作者の気持ちなんてどこまでいっても推測だから、納得いかない。「解答解説」なんて…

友人の書いた小説で勝手に問題を作る(問題編)

次の文章は、未だ工事(@imada_kouji)の小説『ピーチジョン』の全文である。これを読んで、あとの問い(1~3)に答えよ。 空間転移装置の事故でキメラが誕生する話を聞いたことがあるだろうか。装置に猫が紛れ込み、猫人間になってしまった少女のドタバタコ…

機能的固着の論理パズル

<例題1> 窓も何もない、四方が壁の部屋にあなたはいる。床には「ろうそく1本、箱に入ったたくさんの画鋲、一度しか着火できないライター」の3つのみ落ちている。 さて、この部屋には明かりがない。どのように解決するか。 認知心理学のテキストには「機能…

センター現代文必敗法

もうすぐセンター試験ですね。受験生の皆さんは、弛まず努力した時間をマークシートにぶつけるだけなので、この記事を読む必要はありません。大人の皆さん。センター試験の思い出を受験生に語るのだけはやめましょう。SNSで自伝をこれみよがしにアップするの…

論理的な文章とは

論理的、という言葉を、皆さんはどういった文脈で見かけて、どういった意味で使い、どのような状態だと捉えているだろうか。あるいは、どのような文章を読むと論理的だと感じるだろうか。また、論理的でない文章とは何だろうか。 いくつも問いを畳みかけてし…

不倫事件のときのTwitter雑感

ダイニングから母親の声がして、そういえば夕餉の時間だったと席に急ぐ。冷めると怒るからだ。父親はもう席に着いているはずなので、僕が行けば食卓が始まる。ダイニングに到着すると、何と母親と父親が喧嘩をしている。夕飯は半分くらいなくなっていて、隣…

『姉にバレないようにこっそり姉の彼氏とキスしたらいつの間にかエスカレートしちゃった妹www』における姉

キッチンに立つと、ユカはたちまち楽しくなる。リズムよく動く包丁は、まるで自分の手を離れているかのように軽やかで、自分もその包丁になりたいと思うほどに愉快げだった。しばしば会話も聞こえないくらい料理に夢中になる。最近ハマっているスペイン料理…

肺炎になった

何とも情けないことに、風邪をこじらせて軽い肺炎になった。年の瀬からずっと体調が良くなかった上に、特に回復に向けた努力をせずに好き勝手過ごしていたら、案の定である。己の甘さ、怠惰さも原因の一端(あるいは大部分)なのだが、それよりも問題なのが…

最近使った比喩表現

レトリック(修辞表現)の中でも、比喩は最もなじみ深いものだろう。伝えやすくする、あるいはイメージを強く持たせる際に、比喩は効果的である。古今東西の作家が比喩を磨き、遺してきた。また、比喩は作家だけのものではない。自分で文章を書いたことのあ…

元旦、あるいは元日(連作)

元旦、あるいは元日 元旦の夜にコタツを囲ん、はい、元旦は朝、はい、元日、はい 奥の歯にくっつキストの一面を覗かせちゃっていますよね餅 平日が「発車します」とコールして休日達が駆け込んだ、バカ 20年ピザだけ運んだ俺だから分かる アイツら食われたく…

ラブホテル論理学

「論理」という言葉がえらく高尚に感じられるのは、何故なのだろう。その思いがずっと頭を支配していた。論理的であることのハードルは不当に高く見えてしまう。論理的に振る舞う人は敬遠され、気難しいと誤解される。しかし、論理学と格闘すればするほど、…

2016

日本語について考える、という目的で始めたブログも、年を越すことになりました。何より継続していきたいと思います。あけましておめでとう。 元日なので、これからこのブログでやっていきたいことをつらつらと書いていきます。久しぶりに「ですます体」で書…